アムールブライト 健康用品 【ポイント10倍】

• 
• 
• 
• 

　W杯カタール大会で4強入りした各チームには、縁の下で組織を支える選手たちがいる。目立たないところで献身的な働きをし、勝利をたぐり寄せてきた。

　3大会目となるW杯で、グリーズマンはフランスを支える黒衣に徹する。

　登録は従来と同じFWながら、中盤でプレー。周囲を生かすチャンスメイクに、球を奪われるとすぐに切り替える献身的な守備にと、連覇をめざすチームを引っ張る。

　「どう点を取ろうかと思い悩んではいない。前線と中盤をつなぐ役割、チャンスを作って仲間を助ける役割を楽しんでいる」

　決勝トーナメントを前に本人が発したこの言葉こそ、今大会の働きぶりを象徴している。

「エムバペが何を求めているかの理解を深めている」

　2014年ブラジル大会はリベリに代わる新星として台頭、18年ロシア大会は4得点2アシストで優勝に貢献した。かつてはトップ下やセカンドトップ、3トップの一角で自らゴールを狙った。

　代表での得点は昨年11月が最後。いまはフィニッシュ役というより、2列目で司令塔として振る舞う。視野の広さと左足から繰り出されるキックがここ一番で輝く。1次リーグの正念場だった2戦目のデンマーク戦、ゴールへ向かう軌道でGKが飛び出せない位置への絶妙なクロスでエムバペの決勝点をアシスト。イングランドとの準々決勝でも2アシストを記録した。

　チームは守備の局面でもエースFWエムバペを相手ゴール側に残らせ、逆襲をうかがう戦術を採る。その分、空くスペースをグリーズマンらがきっちりと埋める。「ピッチでプレーを重ね、ピッチ外でも話し続け、キリアン（エムバペ）が何を求めているかの理解を深めている」。こんな存在がいてこそ、エースも生きる。

　連覇のチャンスを逃したくないとばかりに、31歳はにんまりと言った。「次のW杯のころには、体重が数キロ増えてしまっているかもしれない」。やんちゃな印象もあった背番号7は、チームの「歯車」を担える味わい深いベテランになった。（藤木健）