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　デジタル報道センターの“真希バオー”こと中嶋真希記者が下半期GⅠシリーズ計12戦を予想します。残り4レースとなった第9弾は、2歳女王を決める阪神ジュベナイルフィリーズ（JF）＝阪神1600メートル、11日午後3時40分発走。新馬戦で驚異の上がり31秒4をマークしたリバティアイランドや、今年の秋華賞2着ナミュールの半妹ラヴェルなど、期待の2歳牝馬が集結。競馬担当30年の師匠、松沢一憲記者は「2歳戦は難しいぞ。伏兵馬の激走に要注意だ」と警戒します。【中嶋真希】

　11日は、香港のシャティン競馬場で「香港国際競走」が開催される。世界から名馬が集まる四つのGⅠに、日本馬14頭が挑戦する。コロナ前に3回、現地で観戦した“香港通”真希バオーが毎回楽しみにしているのが、日本馬の香港名。香港のレースでは、英語表記のほかに、香港名が表記されるのだ。

　「さて、突然ですがクイズです。今回出走する3頭の香港名を見て、どの馬か答えてください」と真希バオー。

　（1）速度大師

　（2）麗冠花環

　（3）本初之海

　「こりゃあ見当もつかないな」と師匠は頭を抱えた。「（1）は、ドイツ語で『スピードの達人』という意味のシュネルマイスター。（2）は、ハワイ語で『帽子の縁の周りに飾るレイ』という意味のレイパパレ。（3）は、かつて地球に存在していた海の名前が由来のパンサラッサ。パンゲア大陸を囲んでいた海のことですね」と真希バオーは得意げだ。香港での4レースを楽しむためにも、阪神JFはきっちり当てたい。

　先週のチャンピオンズカップは、5頭ボックスのうち4頭が2～5着。肝心の1着馬がいなかった。師匠も△△○で的中ならず。しかし、阪神JFは荒れることも多く、挽回のチャンスがありそうだ。「2歳戦ってのは、初対戦同士の馬が多く、力比べが済んでいないから難しいんだよ。その馬が勝ったレースはハイペースだったのか、スローの瞬発力勝負だったのか、内容をきっちり見極める必要がある。一昨年は無傷の4連勝でソダシが快勝して堅く収まったが、昨年は一転して万馬券決着だっただろ。いつ伏兵馬が飛び込んできても、おかしくないんだよな」と師匠は言う。

　「過去10年、1、2番人気はいずれも5連対で、まずまず人気に応えているな。一方、6、8、10、15番人気の伏兵馬が1頭ずつ連対している。ステップはアルテミスステークス（S）＝東京1600メートル＝組が7連対と好相性で、次いでファンタジーS（阪神1400メートル）組が3連対だ。レース経験が浅いキャリア1戦馬は、1頭しか馬券に絡んでおらず、かといって5戦以上している馬も馬券に絡んだことがなく、割引が必要だ。キャリア2、3戦の馬が狙い目だよ」と師匠は分析する。

松沢記者の本命は……

　◎リバティアイランド、○ブトンドール、▲ラヴェル、△ドゥーラ、△モリアーナ、△サンティーテソーロ

　リバティアイランドは、前走でVラインを刻んでいる。Vライン馬とは、「レース中に一旦位置取りを下げて盛り返した馬は、3走以内に必ず激走する」という師匠独自の攻略法だ。

　「アルテミスSで、5→6→6→2着と小ぶりのVラインを刻んで首差の2着。直線で馬群をさばけず、外へ出すロスが勝ち馬との差になった。驚いたのは、新馬戦（新潟1600メートル）での上がり3ハロン31秒4。翌日のアイビスサマーダッシュの上がりより、0秒7も速かった。直線の長い阪神外回りにもってこいの脚質。2歳牝馬の頂点に輝く」

真希バオーの大胆予想

　馬連5頭ボックス（10点×100円＝1000円）

　（1）サンティーテソーロ

　（9）リバティアイランド

　（12）リバーラ

　（15）ムーンプローフ

　（18）ラヴェル

　リバーラは、新馬戦（福島1200メートル）で出負けして後方からの競馬になったが、しぶとく伸びて勝ち馬に4分の1馬身差で3着。未勝利戦（新潟1200メートル）は、インから鋭く伸びて勝利した。そして、10番人気で挑んだ前走ファンタジーSは、あっと驚く逃げ切り勝ち。次はどんな走りを見せてくれるのか、胸を躍らせてくれる馬だ。

　最終追い切りも軽快で躍動感のある走りで、好調ムード。気になるのはマイル適性だが、2歳GⅠなら能力でカバーできるだろう。コンビを組むのは、17年にラッキーライラックでこのレースを制した石橋脩騎手。名コンビで頂点に立ってほしい。

　これまでの収支

　スプリンターズS　－1000円

　◎秋華賞　払い戻し990円

　菊花賞　－1000円

　天皇賞・秋　－1000円

　エリザベス女王杯　－1000円

　マイルCS　－1000円

　◎ジャパンC　払い戻し940円

　チャンピオンズC　－1000円

中嶋真希

　毎日新聞デジタル報道センター記者。業務の傍ら、学生時代から興味があった競馬を本格的に勉強しようと、2014年、競馬担当の松沢一憲記者に勝手に弟子入り。得意技は、パドックで激走する穴馬を見つけること。皐月賞馬イスラボニータが大好きで、産駒の応援に励んでいる。