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　そのバンドは2022年11月に突如、日本の音楽シーンに現れた。「THE　LAST　ROCKSTARS」。X　JAPANのYOSHIKIの呼びかけに、L’Arc～en～CielのHYDE、LUNA　SEAのSUGIZO、MIYAVIが応じて誕生した。映画「アベンジャーズ」さながらのこのオールスターバンドは、早速、大みそかのNHK紅白歌合戦に出場し、23年から日米でツアーも行う。新バンドへの思いについて、メンバー4人が朝日新聞の取材に応じた。（聞き手・弓長理佳）

バンド名は……YOSHIKIが感じた葛藤

　――バンド名を聞いた時に「かなり思い切った名前だな」と。どのようにして決まったのですか。

　YOSHIKI　みんなで「バンド名どうしよう」と相談していた頃に、レコーディング中の会話でふと「ザ・ラスト・ロックスターズ」みたいなこと言ったら、MIYAVI君が「え、なにそれ！」って反応した。じゃあ、これが名前でいいんじゃないかと。でも、そのあとにもまた「この名前でいいのかな」と、みんなの意気込みを確認しながら……。

　MIYAVI　名前決める時に葛藤はあったんですか？

　YOSHIKI　やっぱり背負うものが大きいじゃない。僕からすると、僕の背負うものってこのバンドもそうだし、メンバーの人生の一部を背負わなきゃいけないっていうのがあって。だからバンド名が決まるまでみんなで意思疎通、確認をしていって。逆にみんなはどう思いました？　いきなり「ザ・ラスト・ロックスターズ」を背負うって。

　MIYAVI　すごくストレートで、そのまんまじゃないですか。でもそれ以外ないのかなとも感じました。やるしかないし、やらないなら存在する意味がないから。それぐらい覚悟を持ってないと集まれないプロジェクトなので……。YOSHIKIさんって、めちゃくちゃじゃないですか？（笑）。でもYOSHIKIさんじゃなかったらこの4人で集まっていないし、ついて行きたいなと思わせてくれる。名前に負けないようにやるしかないですね。

　HYDE　最初は少しピンとこない部分もありましたけど、たしかにもう逃げられないなっていうか、覚悟が決まる名前だなと。

　SUGIZO　僕は皮肉を込めてこの名前を捉えています。ロックスターやロックバンドっていう存在が絶滅危惧種だと長年感じているので。僕らが憧れて夢見てきた、ギラギラで危なくてセクシーで、そういうロックの表現や姿勢がもう時代遅れみたいになっている時だけど、これは永遠に続けなければいけないなと。新しい世代に刺激を与えたい。僕らは結局30年（音楽活動を）やっていてもロックに憧れていた子どものままなんですよね。これを絶やしたくないし、また新しくやっていきたい。グラマラスなロックシーンをリードすべきだと、そういう覚悟を持ってこの名前を名乗らせていただいている。

　YOSHIKI　だから、バンド名は決意の表れなんですよね。

　――今はコロナ禍に加えてロ…